再始動事業などで本格回復
観光庁が3月31日に発表した2022年の訪日外国人旅行消費額は8987億円となった。過去最高を記録した19年の4兆8135億円に比べると81.3%の減少だった。政府が閣議決定した新たな観光立国推進基本計画(23~25年度)では、早期に5兆円にする目標を掲げており、旅行者数の回復とともに、1人当たりの旅行消費額(消費額単価)を20万円に引き上げる数値目標を設定した。観光庁は、観光再始動事業などを通じてインバウンドの本格的な回復を目指す。 訪日外国人旅行消費額を算出する調査は、新型コロナウイルスの感染拡大以降、調査を中止、または大幅に規模を縮小したため、20年、21年、22年は「試算値」としての算出となっている。22年10~12月期の調査からは、本来の統計手法に戻っている。
22年の訪日外国人旅行者数は、水際対策が大幅に緩和された10月以降に回復が進んだが、年間値は19年比88.0%減の383万2千人だった。旅行者数の減少が消費額の落ち込みにつながっているが、22年の消費額単価は23万4524円で、19年比47.9%増となった。
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